片山酒造 | 片山酒造の思い

大手酒造メーカーには、できないことを。

日本酒造りは本来とても時間と手間がかかるものです。原料の選別、精米、製麹、仕込み、搾り、すべての工程に妥協せず、熱意を注がなければ本当に美味しい日本酒は作れません。
日本酒の味を左右する要因のひとつが、搾りの圧力加減。「搾り」とは、熟成した「もろみ」をお酒と酒粕に分離させる作業です。美味しい日本酒は、この工程でなるべく圧力をかけずに搾ることが重要です。
現在、多くの酒造メーカーで行なっているのは「薮田式」と呼ばれる搾り機を使用しての圧搾。薮田式はコストや時間を短縮できるというメリットがありますが、機械で一気に圧搾してしまうため、味わいを損ねてしまう恐れがあります。それに対し、片山酒造では創業以来「佐瀬式」という方法を採用してきました。佐瀬式は、「もろみ」をひとつひとつ、人の手で袋詰めし、丹念に積み重ねてから上からゆっくりと圧をかけてお酒を搾ります。一回では少量しか搾り出せないため、この作業を何度も何度も繰り返し、ようやく商品として販売できる量を確保できるのです。もちろん、時間も手間もかかります。現在、栃木県内でこの方式で圧搾している酒造メーカーは1割程度しか存在しません。ですが、あえて私たちはこの方法を続けます。人の手によって丁寧に造られた本来の日本酒の味わいを、より多くの人に知って欲しい。私たち片山酒造が、この方法にこだわり続ける理由がそこにあります。

素材の大切さを知るから、この地で酒造りを続ける。

酒造りには良質な水が欠かせません。世界遺産で有名な日光二荒山神社の別宮・滝尾神社の境内には、弘法大師にまつわる伝承で知られる日光三大霊水のひとつ「酒の泉」があります。良酒を生み出すと言われ酒通の崇敬を集めるこの「酒の泉」を元水とし、同じ日光連山より流れ出る大谷川の伏流水が「千両水」であり、私たち片山酒造が、明治13年の創業以来使用してきた水です。片山酒造の初代創業者は、新潟県柏崎市より良質な水を求めて旅立ち、ここ日光市今市でようやく納得のいく水に辿り着きました。「千両水」は地下16mからくみ上げた口当たりのよい軟水で、酒造りに使用するとまろやかな味わいと香りを生み出します。
また、片山酒造では水だけでなく、お米や酵母にも強いこだわりを持っています。お米は兵庫県産特Aランクの「山田錦」を、酵母は栃木県が開発した特別な酵母を使用しています。良質な原料を使用しなければ、本当に美味しいお酒は造れない。先代からの教えを忠実に守り、決して値段や使い勝手の良さだけで原料を変更することはありません。

日本酒本来の味わいを、直接お届けしたい。

日本酒本来の味をお客様に味わってもらいたい。その想いから片山酒造は直販にこだわってきました。片山酒造の看板商品である「柏盛」は、搾り終わったお酒に水を加えない原酒として、発売以来30年間多くの地酒ファンに親しまれてきました。また、その中でも「柏盛 素顔」は、圧力をかける前に自然と染み出た希少な部分だけを、ろ過も熱処理もせずに瓶詰めした完全な生原酒として各方面から高い評価をいただいています。
通常、流通ルートに乗せて酒屋で販売してしまうと、店頭に並ぶまで1ヶ月近くかかってしまいます。その点、店頭直販ですと時間やコストを削減し、直接お客様に出来立てのお酒をお渡しできるというメリットがあります。もちろん、流通ルートに乗せて販売した方が利益は多く出るのでしょうが、それでは私たちがお届けしたい日本酒本来の味は失われてしまいます。
かつて日本酒には、アルコール度数により酒税の価格が決められることになった時代があります。それに伴い、多くの酒造メーカーは原酒の製造中止を強いられることになりました。ですが、私たちは利益を減らしてでも頑に原酒の製造を続けてきたのです。その後、酒税方式が見直され原酒もその他日本酒と同等の課税になりましたが、多くの酒造メーカーではそのノウハウを失っていました。だからこそ、私たちには原酒造りの伝統を守り続けていくという義務があると思うのです。日光の水を使い、こだわりの製法で生まれた日本酒を、蔵元自身の手でお客様へ。私たちはこれからも、この想いを胸に、これまで培ってきた姿勢を守り続けていこうと思います。

六代目当主

六代目当主が片山酒造の思いをしっかりと引き継いでいます。

製造過程 製造過程 製造過程

片山酒造は創業以来、佐瀬式での酒造りにこだわります。